ch01: ★★☆裁判用語
1章の12ページの3パラグラフ目に裁判についての記述がある。
In December 1992, Dickinson R. Debevoise, a United States District Judge in New Jersey, heard the arguments for the injunction.1992年12月、米国ニュージャージー州地方裁判所判事 Dickinson R. Debevoise によって、差し止め請求に対する【聴聞】が行われた。
Although judges usually rule on injunction requests immediately, he decided to take it under advisement.
差し止め請求に対する【裁定】は直ちに下されるのが通例であるが、判事は時間をかけての審議を選択した。
On a Friday about six weeks later, he issued a 40-page opinion in which he denied the injunction and threw out all but two of the complaints.
6週間後の金曜日、判事は40ページにおよぶ意見書の中で、2つの点を除き、残りすべての請求を【棄却】すると述べた。
※※※ ここで、「聴聞 (hear)」「裁定 (judge)」「棄却(throw out)」というのは、それぞれ法律用語だと思うが、この訳で問題ないだろうか。他に、地方裁判所、判事、差し止め請求、意見書なんかもそうです。
日米双方の司法実務に通じている人でないと正確には訳せないと思いますが、そういう人が手助けをしてくれるかどうかは分からないので、まあ、私なりに調べてみました。
hearは審理とするのがいいように思えます。辞書によると聴聞は行政機関の活動に使われ、司法機関については使われないようですし。
あと細かいことですが「ニュージャージー連邦地方裁判所」とするのがいいと思います。まず「連邦」は入れる必要があると思います。アメリカの司法制度は州の司法制度と連邦の司法制度の2本立てで、そのうちの連邦の司法制度で起こったことだからです。Googleで調べると「ニュージャージー州連邦地方裁判所」と「州」を入れている例のほうが多いのですが、もともとstateは入っていませんし、州政府は関係ないですし、連邦の地方裁判所の管区(district)が複数の州に渡ることもあるかも知れないので、「州」は含めないのが正確だと思います。
投稿: himazu | 2005-07-28 13:37
ありがとうございます。コメントを読ませていただくと、この後の部分も関係しそうです。引用の範囲を超えるかと思って躊躇したのですが、どうもこれはオライリーの Open Sources と同じ原稿を流用していて、こっちは原書が公開されています。なので、大丈夫だろうということで、例外的に長めに引用します。
なんだ、日本語も公開されてるじゃないか。これ、もらっちゃってよかったのかも。hint の訳し方とか、参考にすべき点もあるような気がするが、まだ未検討。
http://www.oreilly.co.jp/BOOK/osp/OpenSource_Web_Version/chapter03/chapter03.html
と思ったら山形浩生氏が突っ込んでた。
http://cruel.org/freeware/hdomcorrect.html
The remaining two complaints were narrowed to recent copyrights and the possibility of the loss of trade secrets.
認められた2つの申し立ての範囲は、最新の著作権表記と、企業秘密の流出の可能性に狭められた。
He also suggested that the matter should be heard in a state court system before being heard in federal court.
また、当該訴訟は連邦裁判所に送られる前に、州立裁判所で審議すべきであると指示された。
【ここから次のパラグラフ】
The University of California took the hint and rushed to California state court the following Monday morning with a countersuit against USL .
翌月曜日、カリフォルニア大学はカルフォルニア州裁判所に駆け込んで、USL に対する反対訴訟を起こした。
【あー、morning を訳してなかったー】
By filing first in California, the university had established the locale of any further state court action.
大学の目的は、最初にカルフォルニア州に訴えて、その後の審議を行う州立裁判所の地域を限定することだった。
Constitutional law requires all state filing to be done in a single state to prevent a litigant with deep pockets from bleeding an opponent dry by filing 50 cases against them, one in each state.
合州国憲法では、州立裁判所での審議は同一州で行わなければならないと規定されている。これは、経済力のある組織が50州すべてで裁判を起こして、訴訟相手の身動きを止めることを防ぐためである。
The result was that if USL wanted to take any action against the university in state courts, it would be forced to do so in California rather than in its home state of New Jersey.
この結果、USL が州立裁判所で大学を相手取って闘おうとする場合、地元のニュージャージーではなく、カリフォルニア州で行わなければならなくなったのである。
投稿: utashiro | 2005-07-28 15:41
こんな感じでどうかと思います。ご参考になれば。
The remaining two complaints were narrowed to recent copyrights and the possibility of the loss of trade secrets.
その残りの2つの申し立てとは、新しい著作権対象物と企業秘密の逸失の可能性についてである。
[copyrightは著作権表記と訳しても日本語として破綻はありませんが、copyrightという言葉の意味はやはり権利としての著作権・版権で、この場合recent copyrightsが具体的に指すのは比較的あとになってAT&TのUnixの中に含まれたAT&Tの著作物であるところのファイルだと思います。そしてthe loss of trade secretsはそのまま「企業秘密を失うこと」という線で訳すのがいいように思えます。]
He also suggested that the matter should be heard in a state court system before being heard in federal court.
また、判事は本件は連邦裁判所で審理される前に州裁判所で審理されるのが望ましいと提案した。
[shouldは義務ではないので、「べきである」とはしないほうがいいですし、「べきである」とsuggestするというのは変なのでこのようにしてはどうかと思います。あと、州立ではなく「州裁判所」のほうが一般的のようです。]
The University of California took the hint and rushed to California state court the following Monday morning with a countersuit against USL .
カリフォルニア大学はその提案を受けて、次の月曜日の朝、カリフォルニア州裁判所に駆け込んでUSLに対する対抗訴訟を起こした。
[counter suitの訳語としては反対訴訟ではなく対抗訴訟が一般的なようです。「反対訴訟」は、たとえば公共工事に反対して起こされる訴訟のように、何かに反対して起こされる訴訟を指し、起こされた訴訟への対抗措置として反対に訴訟し返すの使われている例は多くはないように思えます。]
By filing first in California, the university had established the locale of any further state court action.
最初にカリフォルニア州で提訴することで、大学はその後のすべての州裁判所制度上の活動の場を確定した。
Constitutional law requires all state filing to be done in a single state to prevent a litigant with deep pockets from bleeding an opponent dry by filing 50 cases against them, one in each state.
合州国憲法は、州裁判所への提訴は1つの州でしか行えないと定めている。これは、経済力のある訴訟当事者が、50州すべてで訴訟を起こして相手方からしぼり取ることを防ぐためである。
The result was that if USL wanted to take any action against the university in state courts, it would be forced to do so in California rather than in its home state of New Jersey.
この結果、USLが州裁判所制度のもとで大学に対抗措置を取りたい場合には、地元のニュージャージー州ではなくカリフォルニア州でそうするよう強制されることとなった。
投稿: himazu | 2005-07-30 19:14
> opyrightは著作権表記と訳しても日本語として破綻はありませんが、copyrightという言葉の意味はやはり権利としての著作権・版権で、この場合recent copyrightsが具体的に指すのは比較的あとになってAT&TのUnixの中に含まれたAT&Tの著作物であるところのファイルだと思います。
とりあえず、今津さんの提案通り「著作権対象物」しましたが、最後の部分にこのような記述が出てきます。真意をいまひとつ理解していないのですが、このような結果になっておかしくない書き方でしょうか。
In addition, the university agreed to add USL copyrights to about 70 files, although those files continued to be freely redistributed.
さらに、大学はおよそ70個のファイルに USL の著作権表記を入れることに合意したが、これらのファイルはそれまで通り自由に再配付できることになった。
投稿: utashiro | 2005-08-15 10:39
歌代さんのおっしゃるとおり、
> In addition, the university agreed to add USL copyrights to about 70 files,
この部分は「copyrights」を【著作権表記】とするのが正しいと思います。
投稿: himazu | 2005-08-15 22:18